大津の事故に思う2
みなさん、こんにちは。
大津の事故については今日もテレビなどで新たな情報が報道されました。
その中で加害者の一人が「前方を見ていなかった。ぶつかった音で事故ったと気づいた」というニュアンスのことを警察で話したようです。
「えっ そんなことって!??」と思われた方も多いかもしれませんね。
でも、人間見ているようで見ていないっていうこと・・よくあると思うんです。
何かに捕らわれていると「目はそちらを見ていても脳が認識していない」・・つまり見ていないのと同じってことになると言うことだと思います。
スマホなどで地図を見ているとき、誰かと会話に夢中になっているとき・・危険を察知するのが遅れる・・。
電話しているときにそちらに夢中になって前方不注意になるってこともありますよね!
つまり脳で認識できてないと見ていないのと同じ・・ということかと思います。
テレビCMでよく見かける焦った時のブレーキとアクセルの踏み間違い・・もそうですが、聖徳太子ではない我々はひとつのことに集中していないと普段しないようなミス(見ているつもりで見ていない)を犯す可能性があるんですよね。
私もよくあります。
なので、運転中は「よそごとを頭の中のメインには決して置かない」と言うことを心がけなくっちゃと思っています。
それと報道の中で「行政が一刻も早く危険状態をなくすためにクッションドラムという黄色の樽のようなクッション材を設置」されたことは大いに良いことだと思いました。
その緩衝材があるだけでぜんぜん危険度のレベルが下がると思います。
このクッションドラム・・新設している道路の手前とかで良く見かけますよね!
ガードレールなら一度設置すると固定されてなかなか動かせないし、費用もかかるならこのクッションを全国に設置すればかなりの事故による二次災害は防げるんじゃないかと思います。
さて、今日のテーマです。
「事故は不安全状況+不安全行動で起きる」
これは工事現場などで職長教育という現場作業の長が受ける教育講習で話される言葉です。
つまり、事故というのは「不安全な状況」と「不安全な人の行動」が合致したときに引き起こされるということですね。
じゃ~「不安全な状況」とは何か?
今回の事故の場合、地元の方々から「右折時の矢印信号の時間が短い」という話がありました。
これは報道でも言われてましたが、この道を良く通っていた私の実体験からもこの信号で曲がるのは「時間がかかる」というのは知ってましたので、出来るだけここで曲がるのを避けるようにしていました。
右折できる矢印信号の時間が短くて数台しか曲がれず、後ろに渋滞ができるという・・恒常的な不便さがあったわけです。
それが焦りに繋がり事故を誘発した・・。
これは全国の交差点でもよく見られる光景です。
考えるべきはそれが「不安全な状況」と言えるかどうかですが、みなさんはどう思われるでしょう?
たしかに、道路自体は狭くもなく、見通しもそこそこの道・・
・・ですが、それだけに直進車は安穏な(のんびりとした)気持ちで交差点に侵入してきますが、対抗する右折車は一刻も早く曲がりたい(焦り)と思っているわけです。
すると、直進車の運転手と反対車線から曲がってこようとしてくる運転手との間に心の余裕にかなりの差が生じます。
私はこの心理的な焦りの差が事故の原因のひとつだと思います。
「片一方は平静に走っているがもう片一方は焦っている・・そして焦っている運転手はそれに捕らわれて、前方を見ているようで見ていない」という状況が事故の根本原因であると思っています。
ではハード面でそれを回避できなかったのか?・・
つまり「右折車が焦らずに曲がれるぐらいの余裕ある時間を調節した信号機をなぜ設置できなかったのか?」という疑問です。
今回の事故で行政の責任、信号設置の権限を持つものの責任が完全に抜け落ちているように感じるのは私だけでしょうか?
しかもここは三叉路(T字路)なので、それほど複雑な信号機の操作をしなくても良い場所です。
直進車を完全に停めてからゆっくり右折できるようにたっぷり時間をとるように信号機が調整されていれば、曲がる方も気持ちに余裕ができますし、周囲の状況を視野広く取って見渡すこともできたはずです。
先に結論を申し上げてしまいますが、今回の事故は「現場の車の流れの実態を把握せず、日頃から小さな事故が繰り返されてきたにもかかわらず、放置しつづけた道路管理者や行政、ひいては警察の責任も免れないのでは?と私は考えています。
勿論、そういった現場の不安全状況(人をしてヒューマンエラーをもたらすような現場の状況)があったとしても「不安全な行動」をとらなければ事故は起こらなかったでしょう。
「不安全な行動」とは一方の運転手の前方不確認でありもう一方の運転手の危険予知の欠落です。
先にも述べたように青信号はススメではありません(進んで良いというだけのこと)ですよね。
車同士であっても対向車がブレーキとアクセルを踏み間違えて交差点に侵入してくることもあります・・こちらが優先で正しくとも事故を起こしたらなんにもなりません。。
ここで、精神論を言っても仕方ありませんけど、よく言われる「譲り合いの精神」があれば、相手に「こんちくしょう」と一時的に思ったとしても大事故を起こすよりはよっぽどましだと思うぐらいの気持ちが大切かとも思います。
保育園の管理の問題について
さて、園長先生がかなりの号泣で居たたまれない気持ちになられた方も多いと思いますが、第三者の立場で冷静に考えてみると「なぜ、頻繁に車が往来する湖岸道路を横断してまで散歩する必要があるのか?」という疑問にぶち当たります。
これは園長先生とか保育士の先生に責任があるというより、保育園を運営していた側、あるいは行政にも問題があると私的には思います。
この保育園には園児が遊べるような「庭園」がなかったと報じられています。
つまり、元気で体を動かしたい園児にとってその欲求を満たすためには「危険を覚悟で園の外に出ていくしかなかった」・・そういうことになりますよね。
このあたりの地形は私も良く通っていたので記憶にありますが、湖岸道路に沿ってはホームセンターやホテル、商店やガソリンスタンドなど、車の出入りが多く、歩道を歩いていても危なっかしい箇所がたくさんある場所です。
かと言って裏の住宅街は道が細くしかも複雑に道路が走ってますので尚更危険なのです。
園の中にいれば遊具の管理も含めて保護されますし、何かあってもすぐ対処できますが、園の外だと何かあった場合だと簡単には行かないでしょう。
こういった保育園に対する支援は少子化の時代、行政にとって優先すべき課題だと思いますし、また保育園を経営していた側にもいろんな事情はあったにせよ問題が無かったとは言い切れないと思います。
このあたりは大津の花火大会で花火の上がる対岸に位置するので非常に見晴らしのいいスポットで知られています。
ちょうど交差点のあたりはラブホテル街もあって近くにはイオンの大きなショッピング街もあります。
近江大橋を渡るにはこの交差点で右折する必要がありますし、橋を渡らずに野洲方面に向かう幹線道路に通じるのもこの交差点を右折しないとなりません。
一号線に出るにもやはり右折が必要です。
この交差点は問題がある・・こういった住民の声に耳を傾け、できるだけ危険な箇所は後回しにせず、先手を打って起こりうる事故を未然に防ぐのが官民通じて大切なことだと再度認識させられた事故でした。
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