みなさん!こんにちは!
今日は兵庫の誇る国宝の一寺、朝光寺(ちょうこうじ)についてご案内しますね!
ところで、みなさんは兵庫県にある国宝の建築物っていくつごぞんですか?
実は6つありましてほとんどが播磨地域にあるんです!
ざっとあげますと、姫路城(天守ほか)、鶴林寺(本堂、太子堂)、一乗寺(三重塔)、大山寺(本堂)、浄土寺(浄土堂)・・そしてこちらの朝光寺さんの本堂なんですね!
神戸市北区の大山寺さんだけは摂津の国かもしれませんね。
で、朝光寺さんって・・
どこにあるかと言いますと、加東市(加東市畑609)にあります。
地元の方だと「社(やしろ)からちょっと行ったあたりだ」と言う方がわかりやすいですかね~。
こちらの本堂が昭和29年に国宝として指定されたんです!!
昔は山の上にあったらしいんですけど、平安時代末期の頃、山から下りてこの地に移されたそうです。
なんでも、源平合戦の折、源義経(みなもとのよしつね)が平家を攻める際にこのあたりを焼き払ったことがその原因らしいです。
たぶん、ここの合戦から進んで鵯越(ひよどりごえ)そして有名な一の谷の合戦に進んだんでしょう。
こちらのお寺の見所はやはり国宝指定された本堂ですが、人気が少なく訪れる方も数えるほどです。
何故か?って言うと、こちらのお寺ではPRとか宣伝活動をほとんどやっておられないからかもしれません。
つまり、派手な宣伝をしないことで観光地化してないってことですよね。
なので周囲にはお土産屋さんとか食事処などはありません。
それでも、やはり国宝と言うことを聞きつけて訪れられる方もおられます。
駐車場は数箇所ありますが、参道からちゃんとお参りしたいなら少し下ったところの駐車場から川沿いに歩いて行かれると良いでしょう。
トイレもありますが・・
そこは山の中のお寺っていうことで・・
都会のトイレほどは美しくはありませんのでご了解を!
でも、お寺に入るのに拝観料いらず、駐車場にも料金がかからない(つまり無料!)ってのが嬉しですよね!・・国宝建造物なのに・・。
こちらではボランティアのガイドさんが常時スタンバイされておられて、詳しくお寺のことについて話を聞くことができるんですよ!
なので、お寺ファンの方はもちろんのこと、まったくわからない方でも安心してガイドさんの説明を受けられればいいと思います(もちろん無料)。
今は外国人観光客で全国の日本の観光地もかなり外人さんの姿が多くなりましたけど、さすがにこちらまで来られる方はおられませんね。
そういった意味では古き良き日本の国宝を堪能できる貴重な訪問体験になるかもしれません。
古くて由緒あるお寺にはたいがい、塔頭(たっちゅう)と言って、本寺を補完するような小さな寺が何十カ寺もありますが、こちらの朝光寺さんにも何十寺かあったそうです。
その塔頭寺院の中で現存しているのは総持院と吉祥院の2カ寺だけになってしまいました。
でも、今でも朝光寺の周囲には昔の建物の礎石などもあったりして、歴史の重みを感じますね!
では朝光寺について、少しお話すると・・
法華山一乗寺(西国三十三観音霊場の一カ寺)を建てられたインドの仙人である法道仙人(ほうどうせんにん)さんという方がおられました。
その法道仙人さんが毎朝、東の方に光を射しているのを見て不思議に思って出かけてみると、そこで不思議な老人さんに出会い、この地で仏像を彫るように言われたらしいですよ。
そして、言われたとおりに仏像を彫り、この地に安置して寺を建立したのがはじめらしいです。
さて、見どころは建物を支えている軒下の「太い木」です。
ぜんぶで30本以上あるそうですが、その中の一本だけが椋(むく)の木とのことで、他の木とは違ってるんですね(他の木は何か忘れました;;すいません)
これは完璧さに対する油断を抑えるために一本だけ別の木を使って不完全さを表したもの・・
まだ発展する余地が有るよ!ってことの戒め(いましめ)の気持ちを忘れるな!ということらしいです(完全に完成してしまえばそれ以上発展しないため、少し不完全な部分を残しておくという昔の人の知恵)。
普段は本堂の中には入れませんけど、ちょうどお寺の世話をしておられる方の所要で扉が開いていましたので中に入ってみると・・
やはり真ん中で仕切られていて、外陣(がいじん=お堂の中のお参りする部分)で座らせてもらってしばし休憩!
内陣(ないじん=ご本尊の安置されている一番奥で大切なメインの部分)には入れませんが、格子窓から覗き込むとやはり秘仏のご本尊のため、扉がしっかり閉じられていました。
で、お話をうかがうと、こちらにはご本尊の千手観音さんが二体いらっしゃるとのこと!!
「えっ!?」と不思議に思って訪ねると、一体はお寺を建てられた法道(ほうどう)仙人が彫られた観音さん、もう一体はどうやら京都の三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)から持ってきたものと伝わっているようです。
そして二体とも全国のいろんな美術館や博物館に出張!?・・つまり展示されるために運ばれるため、このお寺に戻ってきて二体揃うのも珍しいかもしれませんね。
秘仏なのでそういった美術館とかでしかお目にはかかれないと思いますけれど・・。
本堂の屋根を見上げると、室町時代、江戸時代、昭和、平成と各時代の瓦が見られて面白いです。
さて、他にも境内を見渡すと小さなお地蔵さんがいくつか置かれています。
これは西国三十三観音霊場巡りをここ朝光寺で体験できるように計三十三体ほどのお地蔵さんがあるとのこと。
近畿地方を中心に広い範囲にまたがる三十三観音霊場を気軽に巡ることができなかった昔の人のためにつくられたんでしょうね。
正式な西国さん巡りの一番の札所は和歌山県の那智の滝のあたり、青岸渡寺(せいがんとじ)ですが、こちらの朝光寺には「つくばねの滝」が那智の滝の代わりをしています。
「つくばね」っていうのはこのあたりに自生する「木」で、枝の先にはまるで正月の羽子板の羽のような実をつけることで知られてるんですね!
また、お寺には鐘楼(しょうろう)という鐘が吊り下げられている塔のような建物があるんですが、こちらの鐘楼は全国に3つしかない屋根が寄棟(よせむね)の造りになっている珍しい建物で国の重要文化財なんです。
ところでこのあたり、田舎ですので猪やタヌキなども出るそうですが、一番厄介なのはアライグマらしいです。
たぶん、飼っていたものを離してそれが繁殖したんでしょうね。
山門やこういった鐘楼、三重塔なども爪で引っかいたり登っていく時に壊したりして修繕が大変なようです。
なので、現在は電気の流れる線を引いて撃退しているようです。
ちょっと可愛そうですけど、死んだりはしないほどの電流だと思いますし、仕方がないことでしょうね。
さて、そういう朝光寺へのアクセスについてはこちらからご覧いただければと思います。
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