北条鉄道というのは第三セクターとして運営されている鉄道会社なんですよね。
つまり、国鉄やJRによって赤字路線として経営が切り離された鉄道って言ってもいいと思います。その北条鉄道のひとつの駅が「網引駅=(あびきえき)」です。
いくら赤字とは言え、加西やこの周辺の方々にとっては貴重な足となる交通手段ですよね。なので、今は加西市長が北条鉄道の社長として運営されてるようです。
駅に降り立つと一本の大木が目に入ります。この樹齢約80年とされるイチョウの木がなんといっても網引駅のシンボルでもあるワケです。
秋ともなると紅葉した葉っぱが真っ黄色となり、また、北風によって散りばめられるとそれはもう幻想的な別世界となります。
そして、網引駅のもうひとつの忘れてはならない歴史・・
それは昭和20年3月31日、太平洋戦争終戦の年の早春に起こった惨劇です。
近くの飛行場から飛び立った海軍の戦闘機がエンジントラブルのために近くに墜落、その現場が網引駅から西方300メートルほどの場所で、線路付近に墜落したことにより線路が歪み、その直後に通りがかった車両が脱線転覆し、死者11名、負傷者104名という大惨事になりました。
当時は軍の機密によりその事故は伏せられたようですが、地元の方々が受けた衝撃はいかほどだったでしょうか。
今は駅の前に「列車転覆事故殉難の地」碑が建立されており、当時の詳しい状況が記された案内板が立っています。
さきほどの大銀杏が樹齢80年ほど・・としたら、この銀杏ば当時の惨劇を見守っていたかもしれませんね。
さて、今の網引駅は人の乗り降りも少ない駅ですが、それでも駅前には新鮮野菜の店があったりして、のんびりとくつろげる雰囲気があります。
ここから鉄道に乗って北条方面に向かうもよし、また車でたずねられて他の北条鉄道の駅をハシゴするのもよし。
私もまた新たな北条鉄道の魅力を訪ね歩きたいと思っています。
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